国民年金基金と国民年金って違うの?フリーランスや個人事業主は加入すべき?

「国民年金基金」を皆さんはご存知でしょうか?
「国民年金」と同じと思われがちですが、実は「国民年金」と「国民年金基金」は別物です。

今回は、特に個人事業主・フリーランス・自営業の方向けに「国民年金基金」についてご紹介したいと思います。

国民年金基金とは

国民年金基金とは、国民年金の上乗せとなる公的年金の 1 つで、国民年金と厚生年金の受給格差を埋めるための制度になります。

個人事業主など国民年金の加入者は、会社員などの厚生年金加入者に比べて老齢年金の受給額は少なくなってしまいます。
理由は、厚生年金は国民年金を含む保険料を会社と折半で支払うことができるため、国民年金よりも納付した保険料の総額が大きくなるからです。

そこで国民年金加入者がゆとりのある老後を迎えられるよう、国民年金基金が平成 3 年に創設されました。
加入は任意で、毎月の掛け金を国民年金保険料にプラスして支払うことで、老後の受給年金額を増額させる制度になります。

国民年金基金の掛け金とは

国民年金基金の掛け金の仕組みは少し複雑です。

まず掛け金は口数制で、1 口目は強制的に終身年金、2 口目からは終身年金か確定年金かを選択することができます。

終身年金の仕組み

終身年金は A 型と B 型の 2 種類があります。2 つの違いは、A 型のみ年金支給期間に 15 年分の保証が付いていることです。

国民年金基金の終身年金は 65 歳から支給されますが、万が一受給開始から数年で亡くなった場合、受給額は支払った掛け金を下回ります。これが B 型です。

しかし、A 型には 15 年間分の受給額が保証されており、万が一途中で亡くなっても、残額を遺族が受け取ることができます。
この特典がある分 A 型の掛け金は B 型より、若干高額になっています。

確定年金の仕組み

2 口目以降は、1 口目の終身年金にさらに掛け金を上乗せするか、I~Ⅴ型までの確定年金にするか選択可能です。
確定年金は、受給開始年齢(60 歳・65 歳)、保証期間( 5 年・10 年・15 年)の組み合わせにより I~Ⅴ 型に分かれています。

掛け金はいくら

掛け金は、加入時年齢と性別、年金タイプ(A 型、B 型、I~Ⅴ 型)によって異なります。
年金シミュレーションで簡単に計算できるため、一度確認してみましょう。

国民年金基金連合会 HP

また掛け金はどのタイプに何口かけるのも自由ですが、月額 6万8,000 円の掛け金が加入の上限となります。
もし別の確定拠出年金に加入している場合は、その掛け金との合計が月額 6万8,000 円以下でなければなりません。

国民年金基金の加入条件

国民年金基金に加入できるのは、国内に住所がある人で 20 歳以上 60 歳未満の自営業者とその家族、学生など国民年金の「第 1 号被保険者」に該当する人です。
厚生年金に加入している人(第 2 号被保険者)やその配偶者(第3号被保険者)は加入できません。
また、国民年金の加入義務がない人が任意に加入する「任意加入者」のうち、国内に住む 60 歳以上 65 歳までの者であれば国民年金基金にも加入することが可能です。

途中で脱退は可能?

国民年金基金は、基本的に任意脱退を認めていません。
そのため、加入口数は無理のない範囲で定める必要があります。
どうしても保険料を支払えない場合は、2 年間支払いを猶予することも可能です。

国民年金基金のメリット

国民年金基金のメリットは、掛け金が全額「所得控除」で節税になるところです。
国民年金基金の掛け金は、全額所得控除(社会保険料控除)の対象です。
所得控除とは、所得から所定の金額を差し引くことで最終的な納付税額を安くする制度をいいます。

例えば、満額 6 万 8,000 円を 12 ヶ月支払った場合、年間の保険料は 81 万 6,000 円です。
もし、税率が 20% であれば所得税は 16 万 3,200 の節税に、さらに住民税を合わせるとプラス 8 万 1,600 円の節税が可能です。
逆に考えると、この約 81 万円を放置することにより約 24 万円のお金が失われるとも解釈できます。
そう考えるともったいないですよね。
また、所得税は所得が高いほど税率が上がるため(最大 45 %)、所得が上がるほど節税効果が高まります。

国民年金基金の加入が難しい場合は?

いくら節税効果があると言っても、開業後で手持ちの資金にゆとりがないうちは掛け金を支払うことはできません。無理をして必要な時に使えるお金がなければ元も子もないからです。

けれど老後の保障は気になりますよね。

そんな時は、「付加保険料」の支払いを検討して下さい。
付加保険料とは、毎月支払う国民年金に月額 400 円を付加して支払う保険料になります。
安価な掛け金の割に大きな保障を受けられることが特長なので、事業を始めたばかりで資金にゆとりがない間におすすめです。

付加保険料を支払うとどうなるか

付加年金は支払い月数に応じて老齢年金が増額される仕組みです。
増額は、支払った月数 × 200 円で計算されます。

例えば、30 年間(360月)付加保険料を支払った場合、支払った保険料の総額は360月 × 400 円 = 14 万 4,000 円です。
これに対し増額される年金は、360月 × 200 円 = 7 万 2,000 円になります。
つまり受給開始以後、毎年 7 万 2,000 円多く年金を受給することができ、年金を 2 年間受給すれば支払った保険料の元がとれる計算なのです。

国民年金基金とは併用できない

付加保険料の制度は、国民年金基金とは併用できません。
付加保険料の月額 400 円は、国民年金基金の 1 口目に含まれているという考えなので、国民年金基金に加入する歳は付加保険料の支払いを辞めることになります。

しかし仮に数ヶ月分でも納めておけば、多くの人が支払い分より大きな保障を受けることが可能です。
国民年金基金に加入する余裕がない時期でも、月額 400 円なら負担は軽いのでぜひ検討してみてくださいね。

クービック編集部

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