今年こそ早く終わらせたい!年末調整の必要書類と間違えやすい3つのポイントを解説

事業主は翌年 1 月末までに、所定の金額を超える源泉徴収票や給与支払報告書を、税務署と市町村に提出しなければなりません。
ちょうど年末業務と決算の中間に提出期限が割り込むため、毎年慌ただしい中で行う事業所も多いことでしょう。

年末調整を早く終えるには、必要書類をいかに従業員から早く集めるかにかかっているといっても過言ではありません。
今回は、年末調整の必要書類と、年末調整で間違えやすい 3 つのポイントを解説します。

年末調整とは

年末調整とは、給与を支払った人が給与の支払いを受けた人の所得税額を計算し、それまで源泉徴収してきた所得税額との過不足を調整する制度です。
目的は、税務署の事務負担の軽減や申告漏れの防止になります。

年末調整では、基本的には、給与を支払われているすべての従業員、正社員やアルバイト・パートが対象となります。しかし、給与所得者であっても下記の場合は対象とならない場合があります。

・副業をしている、アルバイトをかけもちしているなど、2カ所以上の収入源がある場合(メインの勤務先で年末調整したあと、原則自分で確定申告することが必要です)
・1 年の途中で退職して再就職しなかった場合(所得税の精算作業である年末調整がされていないので、自分で確定申告が必要です。再就職、つまり転職した場合は新しい勤務先で年末調整が受けられます)
・2 カ月以上連続して雇用がない、日雇いなどの場合
など

なお、以下のような場合は年の途中で会社が年末調整を行います。

・12 月に支払われる給与などの支払いを受けたあとで退職した場合
・パートとして働いている人が退職し、その年に受け取る給与の総額が 103 万円以下の場合(退職後、ほかの勤務先から給与の支払を受け取る見込みのない場合)
など

年末調整の必要書類

年末調整を早く終えるコツは、必要書類を早く揃えることです。
ここでは年末調整に必要となる書類を解説します。

前職の源泉徴収票

年の途中で雇った人が、前の職場で給与を受け取っている場合は、前の職場が発行した源泉徴収票が必要となります。
これは、雇った時点でその従業員に請求しておくことがポイントです。
前職の源泉徴収票の提出を受けなければ、その従業員の年末調整を行うことはできません。

源泉徴収票は退職後 1 ヶ月以内に交付するものと決められていますが、これを厳格に運用していない事業所もあります。
特に前の職場が経営不振で従業員を解雇した場合、作成してもらえないまま連絡がつかなくなる可能性もあるのです。

前の職場に連絡をとってもらうことは、トラブルの有無に関わらず、従業員にとって心的な負担があるもので、時間が経つほど連絡をとりづらくなります。
早めに依頼することは従業員のためでもあるのです。

扶養控除申告書

扶養控除申告書の正式名称は「給与所得者の扶養控除等申告書」です。

原則として、その年の一番始めに給与を支払う時までに提出してもらい、年の途中で変更があった際はその度に申告してもらいます。
しかしながら、年内の異動がどうであれ、扶養控除の基準となるのは「12 月 31 日の現況」です。
したがって実務的には、年末調整の直前になってから、他に必要となる書類とともに提出を受ける場合も少なくありません。

この運用をしている場合に注意が必要なのは、年末近くになって突然退職されるケースです。
退職後に源泉徴収票を作成しようとして「しまった!」となった時は、後の祭りです。
慌てて電話しても、一度辞めた従業員には危機感がなく、なかなか提出してもらえないケースがあります。
しかも再就職の予定がない一定の人などは、途中退職者であっても年末調整までしなければならない場合があります。
書類集めにムダな労力を使わないよう、扶養控除申告書もなるべく早めに集めておくことが理想的です。

「給与所得者の保険料控除申告書」と「給与所得者の配偶者控除等申告書」

生命保険料、地震保険料、小規模企業共済等掛金控除などの所得控除や、配偶者控除に関する書類です。
平成 29 年分までは 2 つで 1 枚の兼用様式でしたが、平成 30 年分からは配偶者控除の変更に伴い個別の様式に代わりました。
こちらも年末調整前に早めに集めておきましょう。
前年度のものと新様式を一緒に配ると、従業員がその場で作成しやすくなるので、書類を早く集めるためにもおすすめです。

平成 30 年からの新様式はこちらになります。

【平成 30 年分給与所得者の保険料控除申告書】

https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/pdf/h30_05.pdf

【平成 30 年分 給与所得者の配偶者控除等申告書】

https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/pdf/h30_71_input.pdf

その他の必要書類

一定額以上の公的年金を受け取っている従業員からは、「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」、住宅ローン控除を受けている人からは、「住宅借入金等特別控除申告書」の提出が必要です。
早ければ秋ころに銀行からのローン残高の証明書が届くため、証明書をなくさないうちに早めに声をかけて作成を促すとよいでしょう。

ちなみに、住宅ローン控除は適用 1 年目のみ確定申告が必要で、この時だけは年末調整で処理できません。

年末調整で間違えやすい 3 つのポイント

年末調整で間違えやすい 3 つのポイントをご紹介します。
年末調整を行う前に今一度、確認しておきましょう。

年末調整の対象者

年末調整の対象者は、「扶養控除申告書」を提出した従業員です。
「扶養控除申告書」は、並行して 2 箇所以上の職場に提出することはできず、従業員にとって主たる給与を支払っている職場が受取り、年末調整を行うことになります。

源泉徴収票は全員作成

源泉徴収票とは、支払調書と呼ばれる税務署に提出書類する書類の一つです。
源泉徴収票は、給与を支払った全ての人の分を作成して本人に交付し、そのうち所定の金額を超えるものを税務署に提出します。
つまり源泉徴収票は、年末調整をする人もしない人も作成し、全員に交付しなければなりません。

年末調整の対象となる給与とは

年末調整の対象となる給与は、従業員に支給した課税総支給額の合計額で、かつその年に支払いが確定したものです。

課税総支給額とは、社会保険料などを天引きする前の支払い総額から、非課税通勤手当を除いた金額になります。
支払い総額には、基本給はもちろん、住居手当、残業手当などの各種手当や賞与(ボーナス)も対象となる点に注意して下さい。

また、その年に支払いが確定した給与とは年内に金額が確定したものをいい、通常は 1 月分から 12 月分の給与です。
たとえば末締め 10 日払いの給与の場合、12 月分の給与は翌年 1 月 10 日に支給されます。
しかし金額が確定したのは 12 月 31 日ですから、この 12 月分の給与は年末調整の対象となるのです。

まとめ

何かと慌ただしい年末年始をゆとりを持って過ごすためにも早めに準備をする事がポイントになりそうです。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。

クービック編集部

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